株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第109期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の経営概況は、COVID-19による経済活動への影響から徐々に回復し、地域によっては市場需要の顕著な回復も見られました。一方、半導体不足に伴う車両メーカーの生産調整やウクライナを巡るロシアと欧米の軍事的な緊張等からエネルギー価格が高騰、年度後半では中国経済の停滞による影響などが回復の足枷となりました。
当社グループでは、半導体不足等による自動車メーカーの減産影響を受け、カーエアコン・エンジン領域などの受注が減少しましたが、ASEANを中心とした空調需要の増加で補い、全体の売上高は前年度比微増となりました。
収益面では、検査工数削減や工程見直しなどの原価改善に注力しましたが、エネルギー価格高騰の影響や将来に向けた成長投資の推進に加え、年度後半での急速な受注減により前年度比大幅に悪化しました。
注力分野である自動車電動化領域は、半導体不足の影響を受けながらも新規受注品の立ち上げ等により前年度比+1.9%の増加となりました。また、空調部品は省エネと気候変動への対応ニーズによるヒートポンプの導入増や市場の拡大により前年度比+9.1%増と堅調に推移いたしました。
足元では中国経済の停滞や長期化するウクライナ情勢の悪化影響など不透明な経営環境が続いておりますが、第110期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)は、親会社である株式会社フェローテックホールディングスとの連携を強化し、注力分野の成長とグローバルでの拡販、合理化・自動化等による体質強化を推し進め、前年度比増収増益を目指してまいります。
なお、期末配当につきましては、長期安定的な配当維持と今後の成長投資を見据え、前期同額の1株8円とさせていただきたく存じます。
株主の皆様におかれましては、今後も当社グループに対する絶大なるご支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
2023年6月