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技術情報

MNRバリスタ技術情報

1.バリスタ電圧

バリスタ電圧は、バリスタに直流1mAの電流を流した時のバリスタ端子間の電圧値(V1mA)を意味します。 05Dシリーズの様に小型のバリスタで1mAを流すと発熱の問題が生じる場合は、 直流0.1mAの電流に対するバリスタ端子間の電圧値(V0.1mA)で表示する場合もあります。 バリスタは、使用される回路電圧によって選定しやすいように、バリスタ電圧で製品のシリーズ化がされています。 同じバリスタ材料では、バリスタ電圧と厚さは比例しますので、バリスタ電圧が高いほど厚くなります。

2.最大許容回路電圧

最大許容回路電圧は、バリスタに連続して印加できる回路電圧の上限値を意味します。 長時間にわたって最大許容回路電圧以上の電圧がバリスタに印加されると、バリスタは劣化あるいは破壊します。 最大許容回路電圧は、直流と交流のそれぞれで規定されバリスタ電圧より小さな値です。

3.制限電圧

制限電圧は、バリスタに規定電流(8/20μsのインパルス電流:サージ電流耐量の項を参照) が流れた時のバリスタの端子電圧(VXA)のことであり、 その電流値はバリスタの種類によって定められており、X=1~100A程度の範囲にあります。 制限電圧はバリスタが雷サージを吸収する時の吸収性を表し、 雷サージが入っても制限電圧以上の電圧が回路に侵入しないように設計する為に必要な特性です。 図-1の最大制限電圧の規格値は、バリスタ電圧の測定電流より大きな電流における、 温度特性と素子ばらつきを含めたバリスタの端子電圧の上限値を示します。 同じバリスタ材料では、制限電圧はバリスタ電圧にほぼ比例しますが、素子径が大きいほど制限電圧は低くなります。

4.漏れ電流

漏れ電流は、最大許容回路電圧を印加した時の電流値であり、最大でも100μA程度と小さいです。 図―1の最大漏れ電流の規格値は、バリスタ電圧以下の電圧における、 バリスタ電圧公差を含めたバリスタを流れる電流の上限値を示します。 また、交流電圧が印加される場合は、漏れ電流には静電容量による電流も重畳されます。

5.静電容量

バリスタには最大許容回路電圧以下の電圧が印加されるので、バリスタはコンデンサとして振舞います。 その静電容量は、バリスタの素子径の2乗に比例し、バリスタ電圧が低いほど大きくなり、数十~数万pF程度の値です。

6.サージ電流耐量

サージ電流耐量は、バリスタのサージ吸収能力を表します。バリスタがサージを吸収できるか、 劣化・破壊されるかは、サージ電流の大きさとサージの持続時間によって決まります。 一般的な電源線から侵入する雷サージは、 8/20μs(T1/T2)波形と呼ばれるインパルス電流波形で代用できる為、 サージ電流耐量はこの波形で測定されます。 8/20μs波形は図―2に示すように、波頭長(T1)が8μsで、波尾長(T2) が20μsのインパルス波形であることを意味しています。

【波頭長は、波高値の10%値と90%値を直線で結び、0%に外挿した時間軸と交わる点(規約原点) と100%に外挿した点との間の時間であり、 波尾長は、規約原点と立ち上りの50%値(半波高点)との間の時間です。】

7.エネルギー耐量

エネルギー耐量は、サージ電流耐量よりも波尾長の長いサージに対する評価です。 通常は図―3に示す2msの短形波か、あるいは10/1000μs(T1/T2)波形が使用され、 サージ電流の大きさではなく、バリスタが吸収するエネルギー値で評価します。 エネルギー耐量も、サージ電流耐量と同様にバリスタ電圧の変化率などで評価され、劣化も同様に進みますが、サージ電流耐量の値と比例関係にある訳ではありません。 エネルギー耐量は、バリスタの体積に比例する為、バリスタの直径と厚さに依存します。